入院、手術からの近況報告。
6月27日朝。
いつもより早起き。
乗り慣れない電車。
こういう日に限って遅延。
あーあと思いつつ病院に電話。
ただいま大変混み合っておりますので、、の自動アナウンス。
嘘つけなんて思いながら遅延なのでしっかりドヤ顔で入院遅刻かましてやろう。
なんて意気込んだものの小心者、受付ではすみません電車が遅延しておりまして、、なんて先に口走ろうとするのだから。
遅延の電車内、思ってもみない人達から心配の連絡が来て少し驚いた。
思ったより色んな人が気にかけてくれているんだなぁと他人事のようにボンヤリ考えていた。
悪いニュースのが皆好きだろうから良い知らせとかよりこういう方のが広まるんだよねなんて少し卑屈になる部分もあるが、なんだかんだ心配してもらえるのはちょっと嬉しい反面照れ臭くもなった。
乗り慣れないこと、遅延してることをいいことにしっかり一駅乗り過ごした。
いいんだどうせ。
例の言い訳文を受付で伝えるとあっさり11階の〜部屋に行ってくださいとのこと。
思ったより手続きとか少ないんだな。
長いエレベーターを登るとテレビで見たような所謂病院がそこにあった。
そんな大袈裟なとも思うが仕方ない。
手術なんて初めて、ましてや入院すらもしたことないのだ。
眼鏡をかけたお姉さんに声をかけて病室まで案内された。
バンドやってるなんて話してたら私も昔追っかけやってたんですよねなんて話になり、ビジュアル系でしょと言ったらなんでわかったんですかって。
人の顔色見て生きた(次男の悪い癖)のでなんとなく見ればわかる。
人はみかけによらずなんてよく言ったもんだが見てくれは自分の見られ方を左右する大事な第1印象。
どんな人かはご想像にお任せ。
適度に案内してもらって明日の手術の説明を受ける。
主治医、麻酔医師、看護師
患者に配慮して親切でわかりやすく、それでいて迅速に説明してくれているので話が早い。
質問ありますか?の問いにないですの答えだったので早く終わった。
どうせ寝てるだけなんだろうジタバタしたってしょうがない。
中には緊張とか不安とかならないんですか?と言われたが、なるようにしかなりませんし寝てるだけですからねなんて言ったらまぁそうなんですけどねなんて返されて色んな患者がいるんだろうなと察した。
病室に戻ると昼食が用意されていた。
もう見る限りに少ない。
明日手術受ける前に餓死で死んじまうなんて頭の中で直感的に感じた。
そんなはずないかとこれまた頭の中で繰り返して一階の売店に向かった。
色々養ってはくれるが細かいところは自分でなんとかしなくてはいけない。
例えば箸。
食事の用意まではしてくれるけども箸は用意してくれない。
なんだよ手で食うのかよなんてユーモアのない冗談を言うほどボキャブラリー廃れてなくてよかったとエスカレーターを順々に下っていく。
売店と言っても看板にはデカデカとセブンイレブンの文字。
割り箸もらえるかな?と心の中で少し不安になりながら列へ。
明日の手術よりよっぽど心配だ。
おにぎりとサンドイッチを会計に出して店員さんが袋詰めしてる最中に一言。
お箸いただけますか?
はいと笑顔で答えてくれたので安心。
そのまま広場で会計を終えたばかりの品物を60秒経たないか位の早さで平らげ、未使用の割り箸握りしめ病院へ。
少し冷めてしまったかなと思っていたが保温されていたのでなんならちょうどいい温度になっていた。
さっきなんか食べたっけ?
位の勢いで昼食の焼きそばはもぬけの殻になっていた。
本気出したら一口だったななんて思っていたら隣におじいさんが同じタイミングで今日から入院。
仲間だねなんて思ってたら
なんだよここは箸もないのか、手で食うのかよ
と騒ぎ出すもんだからさっき思った仲良しこよしは封じることにした。
4人部屋なのだが俺以外皆おじいさん(またはおっちゃん)で皆綺麗に生活保護を受けている方達。
それでいてなにこれがない、あの先生は何もしてくれないだの文句を言うもんだからなんだか終わってるなと思いながら、実家住まいの俺も母親から生活保護受けてるみたいなもんだなと思い皆平等に終わってるなと感じた。
やっぱり仲間だね。
気付いたら寝ていて夕方になっていた。
なんだか良い感じに昼寝しちまったと思いながら1階にあるタリーズコーヒーでコーヒーを飲みながら病院散策。
理容室もあったから手術前に髪でも切るかと目の前まで行くとしっかり美容院クラスのお金取られるので断念。
どこで髪切ったの?病院。
のくだり少しやりたかったのになぁとクスクスしながら病室へ。
じいさんまたなんか言ってんなと思いながらパソコンを開いた。
気付いたらすっかり夜も更けていてパソコン業務に没頭。
なんで今までちゃんと手をつけなかったんだろうってくらい曲の打ち込みに夢中になっていた。
まさか入院中にここまでできるようになるとは、、と自分でも正直驚いている(後日談)。
朝方まで液晶を見て就寝。
しかし2〜3時間後に起床。
6時って普段まだ寝てないよな下手したらと思いつつ起こされた。
まだ手術まで時間があったけど昨日の今日で頭がパソコンに夢中。
なぜかストイックに病院でスキルを高めていた。
しばらくすると主治医が来て点滴を打ってくれた。
うわ初めてだこのガラガラするやつ持って移動するのなんてちょっと浮ついていたが左手から伝ってくる針の違和感がそんな気持ち相殺させた。
10時くらいから手術と母親に伝えていたのでその少し前に来た。
時間も少し押していたので母親とダベっていたが、思ったより手術の時間が来ないので2人して少し待ちくたびれた。
まだかよ早くしろよなんて悪態つく息子に母親はお腹空いたわね〜なんて答えていたからなんとなくやっぱりこの人から生まれたんだろう俺はと思う。
そして例のごとくまたじいさんAが騒ぎ出したからあらずいぶん態度でかいわね〜なんてちょっと小馬鹿にしてる顔を見てさっきの思いが確信へと変わった。
じゃあ朝倉さん行きますねとナースから一言。
ついに来たか、、と少し高まっていたら血圧を取る際に緊張してますか?と聞かれた。
いやこれは完全に高まってるやつですねと今思うと意味のわからない返しをしていた。
笑っていた看護師さんを見てそう思った。
手術室に向かうまで看護師さんと他愛もない話をしながら向かう。
最後の最後までお喋りだなこいつはと思われていたかはさておき自分でそう感じた。
手術室に入るともうまさにドラマで見ているような感じで興奮した。
エメラルドグリーンの壁と衣服、真っ白な機械達は絵に描いたような、と言うかまあ本物なのだがフィクションのようだった。
昨日説明をしてくれていた先生達がわざわざ挨拶にやってくる。
俺のためにこんなにもの医者が周りに寄ってたかって口からスコープを入れ施術していくのかと思うとやはり手術というものはスケールがデカイな〜なんて感嘆した。
UKロックが好きな人が多いんだろうか。
中では気分が向上するようなアップテンポな曲が流れていた。
自分の気持ちともなんだかリンクするようだったし相変わらず血圧が高めだった小生は医者達にもテンション高いですねなんて笑われるほどだった。
中央のベットに寝転びしばらくすると麻酔入りのガスが口元に当てられた。
話の流れから(まだ喋ってたのか)麻酔ガスの臭いちょっと嗅ぎますか?
なんて話になり興味を示さずにいられなかったから少し臭いを嗅いだ。
本当にガス特有の臭いが嗅覚を狂わせた。
あんまり吸うと眠くなっちゃいますよなんて言われたもんだから少し息を潜めていたけど、じゃあ深呼吸していきましょうかと言われ呼吸を少し大きくしていった。
これが最後の会話か〜と思っていた矢先にちょっとぼんやりしてくるかもしれませんと確かに言われたのを最後に眠りについた。
何のことだったのかよくわからない状態のまま気付いたらもとのじいさん達の病室にいた。
確かな喉の痛みとありえない舌の痺れがあり、若干の頭痛と気持ち悪さが体を埋め尽くしていた。
主治医と看護師さんが何か言っていたのを微かに覚えているが、記憶が定まった頃にはなんのこっちゃ全然覚えていなかった。
喋っちゃダメですよ。
看護師さんにそう言われてああそうかと思いああそうかと口に出しそうなったのを必死に押し殺した。
麻酔も抜けて来てすっかり歩けるようになった頃付き添っていた母親も帰路へ。
なんだかんだ長い時間いたんだなぁとボンヤリ都会の景観を眺めていた。
夜になったら舌の痺れ以外は無くなったのでまたもやパソコンとにらめっこ。
なんだかんだ遅い時間に就寝。
翌日点滴を外しとにかく1週間は喋っちゃダメとの主治医の注意を受け退院。
最後の最後まで受付のバンギャはヘラヘラしていた。
ともにした時間が例え2〜3日だろうともう会えなくなると思うと変に寂しくなるという昔から直らない悪い癖が発動。
ライブハウスで会ったら素敵だよなぁと思いながらエレベーター下の階行きを押した。
閉まるボタンを押した時に、まぁあんまり綺麗ではなかったんだけどと一言余計に口をついて出そうになったのを堪えた。
何より喋っちゃいけないのだ。
最後の最後までじいさん達は文句を垂れていた。
俺も歳食ったらああなるんだろうなと思いながら捻くれすぎないようにしなきゃと自分の中で警鐘を鳴らしながら退院した。
とにかく話せないという非日常もどうやって楽しむかという方に頭をシフトさせながら電車に乗った。
とりあえず人から話しかけられない状況作りから。
という事でイヤホンを。
ガラガラの電車内だが何があるかわからない。
ドアの横にある手すり付近に立っていた。
ガラガラではあるがなんか座らない方が良いと察知していたのであえて立っていた。
まだ着かないなとボンヤリ思っていたらガラガラだった車内から出るおじいさんに邪魔だよ!と軽く怒鳴られ肩をぶつけられた。
ぶつけられた拍子にジジイてめぇと声を出しそうになった(厳密には少し声が出たが痰が絡まってうまく話せなかった)が堪える代わりにあっちいけとじいさんをはたいた。
特に向こうも気付いてなかったであろう。
そんなに怒りが沸点に達する事はないが(普段から程よく発散しているので)喋れない、病室からのじいさんの理不尽を聞かされる、突拍子もなかった事からの行動であっただろう。
鎮めろ鎮めろと頭の中で唱えた。
なんとか帰宅し疲れていたのか気付いたら寝ていた。
何するのにも口が使えないのは大変で緊急の打ち合わせも電話でやり取りという事になり向こうがライン電話、その返事をこちらが文面で返すというなんとも七面倒な打ち合わせもあったりした。
好きな子に対する思いも歌にすりゃ5分で済むのに伝わらないものだなと誰かが歌っていた歌詞に何故か妙に納得できた。
そこから今日に至るまで約1週間。
家事の手伝いしたり、相変わらずパソコンとにらめっこだったり、タワレコにCD納品しに行ったりとまぁやる事は結構たくさん。
とにかく喋れないと言うのは本当に大変で人間ってのはいかにコミュニケーションの方法を口に頼っていたんだなとつくづく痛感した。
言語ってすげー。(バカ)
時間に余裕できたからといって、日々のありがたみに感謝して些細なことが幸せと思える。なんて頭お花畑みたいにもなってないし、かと言って普段あんまり過ごせない時間だなと思えると少しこんな歓びもあるんだなと日常楽しく過ごさせていただいております。
改めて、と言うと変だけどやっぱり独りじゃなにもできないなと思えたと同時にやっぱり人間一人なんだなとも思えています。
どうするか自分次第だし自分が少しゆっくりなペースだからと言って周りが合わせてくれるもんでもないし、何よりそれで良いなと思いました。
人と人はあんまり干渉し合うものでもないからね。
個々があるから集団の素晴らしさってありますし。
日々過ぎていく日常と、いつもより少し多くなったTwitter閲覧数と、いつもと変わらない打ち上げの事だけあげているバンドマンのツイートを流しながらそんな事を思いました。(もちろん全部そうじゃない)
とは言え俺はそういうんじゃないからとか一線置いてる風でも癪にさわるんですけどね。
なにがダメでなにが良いって話じゃなくて別にいちいち干渉する必要ないから口出す必要もない。
ただでも俺は好きとか嫌いとかそういう天秤じゃなくて色んな人が周りにいてくれないと自分がつまらないし、やっぱり独りじゃなにもできないから色んな人、大事な人には周りにいて欲しいなと感じる1週間だった。
この辺の事はまたブログないし曲で。
と、まぁなんとなくあった事をつらつらと書いてみた。(笑)
最近やはり思うんだけど文章を考えて書く(打つ)のが好きだ。
言葉とか意味ありげな文とか好き。
声に出して喜びたい事もあった!
kiseki 1st EP New Game+タワーレコード新宿店限定で販売決定(パチパチ)。
しかも2017.07.05〜ってのがまた嬉しくて。
そうです私誕生日です(祝ってね)!
しかもその日から話し出して良いとの許可も得ているので楽しみ(いきなり話しすぎないようにしないと)。
去年の今頃こうなるとは思っていなかったろうな〜全てが。
もうちょっと休んでますんで皆様また。
長いのに読んでくれてありがとう。
嬉しい発表はまだまだ続く。
ではでは。